合否は、会議室ではなく面接官一人の頭の中で決まっている

面接

落ちた理由を、会社全体の判断だと思うから、苦しくなるのだと思います。

実際には、その日たまたま面接した一人の人間が、その場で下した判断にすぎません。この構造を知っているかどうかで、合否の受け止め方は変わってきます。

自分は、コンサルティングファームと事業会社、両方で中途採用の合否に関わってきました。面接官として、何百人もの合否をその場で決めてきた側です。そこで最初に驚いたのは、想像していたような「採用会議」がほとんど存在しなかったことです。

候補者について、複数の面接官が一堂に会し、資料を突き合わせ、議論を重ねて結論を出す。そういう場面を、自分はほとんど経験していません。実際に起きているのは、もっと個人的で、もっと即物的なことでした。

一次面接の担当者が、面接を終えた数分後に、次に進めるかどうかを一人で判断します。進めると決めれば、次の面接官にその情報を渡します。次の面接官は、前の担当者の評価を参考にはしますが、結局は自分の目で見て、自分の基準で、また一人で判断します。これが積み重なって、最終的な合否になっていきます。

全員のスケジュールを揃えて、一人の候補者のために議論する時間などありませんでした。面接官はそれぞれ本業を抱えている。採用は、その隙間でやる仕事です。だから、その場で決めて、次に送る。自分がやっていたのも、それだけのことでした。

ある面接で、こんなことがありました。特定の会社や人物の話ではなく、実際によくある展開として聞いてください。

面接官が、候補者の話を聞きながら、途中で表情を変えることがあります。想定していた回答と違う角度から話が返ってきたときです。その瞬間、面接官の頭の中では、もう評価が動き始めています。面接の後半に入る頃には、合否の大枠は決まっていて、残りの時間は、その判断を補強するための材料集めになっていることが少なくありません。

面接が終わった直後、面接官は誰かに相談することなく、次に進めるかどうかを決めます。持ち帰って検討する、というプロセスが挟まることは、そう多くありません。数分後には、次の面接官への引き継ぎという形で、その判断はもう動き出しています。

自分は、この構造を、恐ろしいものだとは思っていません。むしろ、こちらの方が誠実だと思っています。

合議は、判断の重さを薄める仕組みでもあります。全員で決めたことにすれば、誰か一人の責任は軽くなる。でも実際には、自分の判断で、人の次のキャリアが変わる。それを誰かのせいにできる仕組みは、どこにもありませんでした。

その場の判断が、そのまま相手の人生に届く。その重みを、忘れないようにしていました。

合否が個人の解釈の集積だと知っていれば、一つの結果に人格を全否定されたような気持ちになる必要もなくなります。会社に断罪されたのではなく、その日、その場にいた一人の人間に、たまたまそう映っただけかもしれない。

採用のプロセスは、思っているよりずっと個人的です。合否を決めているのは、会議ではなく人でした。

まとめ

面接の合否は、複数人の合議を経て決まっているわけではありません。多くの場合、面接官一人がその場で判断し、その判断を次の面接官に引き継いでいく。その積み重ねが、最終的な結果になっています。

この構造を知っておくことは、対策のためというより、受け止め方のためだと思っています。結果を、組織からの断罪ではなく、その日、その場にいた一人の人間の解釈として見られるようになると、次の面接に向き合う姿勢も、少し変わってくるはずです。

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