エージェント経由だと紹介料が発生する分、企業側の心証が悪くなるのではないか。そう考えて、直接応募に切り替えようか迷っている人がいる。
自分が中途採用に関わっていた会社では、応募のルートを理由に評価を変えたことはない。エージェント経由か直接応募かは、選考の場で話題に上ることすらなかった。
エージェントの紹介料は採用コストに織り込み済み
求人をエージェントに出す時点で、紹介料込みの採用予算はすでに社内で承認されている。採用人事の立場で、予算取りをしていたからそう言える。候補者がエージェント経由で応募したとしても、そこで初めて何かの追加コストが発生するわけではない。
採用コストにシビアな会社は、そもそも最初からエージェントに求人を出さない。紹介料を許容した上で求人を出しているか、そもそも求人を出していないかのどちらか。直接応募で採用が決まったときは、せいぜい「エージェント代が浮いてよかったね」という話になる程度だった。
年度末は、紹介料どころではなくなる
むしろ逆のこともあった。年度末が近づくと、使い切れていない採用予算をどう扱うかという話になる。あえてリテーナーフィー(成功報酬ではなく固定報酬)を支払い、エージェントに特定ポジションの候補者リサーチを依頼したことが何度もある。紹介料を惜しむどころか、採用計画人数に満たずに予算を使い切って何とか採用できるよう施策を打った年もあった。
エージェント経由の方が動きやすい部分もある
合否に差がないなら、どちらでもいいかというと、そうとも言い切れない。
求人票だけでは分からない、選考のスピード感や、採用の背景、社内の雰囲気やカルチャーを、エージェント側が把握していることがある。
気になるなら直接聞いてみればいい。「直接応募と何が違うのか、正直なところが知りたい」と聞けば、関係の深いエージェントなら、ある程度率直に答えてくれる。
面接の日程調整やオファーが出るタイミングも、エージェントが間に入ってくれる分、こちらの負担は減る。
複数登録は、数が増えるほど管理が大変になる
直接応募とエージェント経由を、同じ企業に対して同時に使うケースもある。これも評価が下がるようなことではない。ただし、企業側は先に届いた応募を正式なものとして扱うことが多く、後から同じ人物の応募が別ルートで届いても、選考の手続きとしては重複扱いになる。合否に影響する話ではないが、日程調整が二重に走るなど、実務上の混乱を招くことはある。同じ企業に両方のルートで応募することは避け、どちらか一方に決めておいた方が動きやすい。
複数のエージェントに登録すること自体は悪くない。ただ、登録エージェントが増えるほど、どのエージェント経由でどこに応募したかが分かりにくくなる。別のエージェント経由で同じ求人を紹介されたり、日程調整が並行して発生したりする。
初めての転職なら、まずは1社に絞る方が動きやすい。慣れてきたところで、必要に応じて増やせばいい。
まとめ
紹介料がかかるから直接応募の方が有利、と心配する必要はない。迷ったら、自分が動きやすい方を選べば良い。

