面接官は、職務経歴書が立てた仮説を面接の場で検証している

面接

面接開始前、面接官は再度、職務経歴書に目を通す。もう一度、という程度の確認である。次に何を聞くかを決めているわけではない。聞くことは、すでにほとんど決まっている。決めているのは、その問いをどの順番で、どの深さまで確かめるかだけだ。

書類を読んだ段階で、面接官の頭の中にはある種の仮説が立っている。この経歴なら、こういう思考の癖があるはずだ。この実績の並び方なら、これくらいの行動力があるはずだ。以前、職務経歴書は3分で読まれ、2分で判断が固まると書いた。この2分で固まっているのは、合否そのものというより、この仮説の方である。面接という時間は、初対面の相手を知る場ではない。すでに立てた仮説が正しいかどうかを、目の前の人に確かめてもらう場に近い。

これは自分が面接官として、何度も繰り返してきた作業でもある。ある候補者の書類を読んだとき、実績の並びから、この人は与えられた役割をこなすタイプではなく、役割の外側に出て動くタイプなのではないか、という仮説を立てたことがあった。二次面接で、その仮説を確かめる質問をいくつか投げた。返ってきたのは、想定していた行動の水準を、二度、三度と上回るエピソードだった。

その場で通す判断をした。パートナー面接の手配も、面接が終わってすぐに進めた。話が上手かったからではない。印象が良かったからでもない。書類の時点で立てていた仮説を、本人の受け答えが明確に上回ったからだ。もし仮説通りだったなら、この即決は起きていない。一致しているだけの相手には、確認にもう少し時間をかける。仮説を超えてきた相手にだけ、この速さで踏み込む。

面接官が見ているのは、経歴の確認ではない。書類で立てた仮説と、目の前の人がどれだけ一致しているか、あるいはそれを上回っているかである。

想定問答を練り込むことが無意味だとは言わない。ただ、それより先にやるべきことがあるとすれば、自分の職務経歴書が読み手にどんな仮説を立てさせているかを、自分自身で把握しておくことだ。面接で聞かれる「なぜそう動いたのか」という質問は、性格を知りたいのではない。書類に書かれた行動が、本人の意思によるものだったのかを、確かめているだけである。

まとめ

面接は当日の勝負ではない。書類を読んだ瞬間から、面接官の中では検証がすでに始まっている。話の上手さより先に見られているのは、書類が立てた仮説と、目の前の人がどれだけ一致し、あるいはそれを超えているか。ただそれだけである。

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